不動産屋さんなら一度は耳にしたことがある「サブスク住宅」
今回は2017年前後からその利用が大きく拡大傾向に入ったこの新しい「家」との付き合い方をご紹介します。
「サブスク」とはサブスクリプションサービスを略してよく使われる名称で、毎月決まった金額を支払って一定のサービスを受け続ける仕組みのことです。
今までは音楽の定期配信サービスや映画のレンタル、ネットゲームなどに使われてきた「継続課金」のシステムが遂に住宅にまで波及してきました。
もともとは「継続課金」というシステム自体がキャッシュフローを産んでビジネスをより安定化させる、という意図もありネット関連の企業のマーケティング課ではネコもシャクシも「サブスク、、、サブスク、、、」と唱えていたような一般的な用語ですね。遂にこのローカルな不動産業界にまで「サブスク」がやってきたか、と。
それでは、サブスク住宅って一体どんなサービスなんでしょうか?ご説明していきます。
サブスク住宅とはどんなサービスなの?
結論から言うと、「サブスク住宅」とはアパートの家賃を支払うように一定のお金を「運営会社」に払えば、その運営会社が管理している物件からあなたの好きな物件を選んで自由に住んで良いですよ、と。しかも家具や家電が既に備えられてすぐに住めますよ、というサービスです。
このサービスの特徴として、以下の点が挙げられます。
・毎月の「サブスク代」に電気代や水道代、ネット代などインフラ料金が最初から含まれている。
・家具家電付きで面倒な引っ越しなどの手間が省ける。
・戸建てのサブスク住宅も既に多く存在し、シェアしてみんなで格安で利用することもできる。
・リモートワーク用に住所設定やWi-Fi環境などがあらかじめ考えて造られている。
などなど、これは便利そうですね。
サブスク住宅、良いことばかりではないはず。デメリットは?
デメリットを考えた時、まず思い浮かぶのは「自分の家」ではないという点です。
インテリアや壁紙などはあらかじめ運営会社によって設定されているものを使用しなければならず、自由度が少ないです。
マイホームを所有することに比べればはるかに不便に感じるかと思います。どこまで行っても自分の「家」という感じではなく、感覚的にはいつまでたっても「賃貸物件」の感覚を感じるのではないかと。あくまで想像ですが。
また、「シェアハウス」として使用するのあれば当然、キッチンやトイレやお風呂は共同利用。
プライバシーの問題も考えると、人間関係が深い仲どうしでないとなかなかいっしょに住むことは難しいのではないかと思います。
利用が拡大しているサービスとはいえ、一般的には賃貸住宅の需要がまだまだ多いのは、ユーザーとして「単身者」や「勤務形態が自由」などのサブスク住宅向けの方に「利用が拡大中」ということかもしれません。
逆に「家族まるごと」というユーザー向けにはどうでしょうか?私は結構合っているような気がします。
電気・ガスなど生活インフラは全て整っている上、クレジットカード払いを利用してポイントを貯める&使う。ある意味で賢く節約していくことも可能なのではないかと思います。
一軒家型のサブスク住宅であれば「お庭で子供を遊ばせてる横でお仕事」も可能ですし、個人事業主や法人名義であれば一部のサブスク代を経費化させることも可能ですね。
賢く利用すればかなり有効活用できる仕組みであることは間違いなさそうです。
最大のメリットは住み替え自由?引っ越しの大変さから解放される
念願のマイホーム、お家を建ててみたらとなりの方が変な人だった。
町内会の仕事や人付き合いが大変。変な人も多い・・・・。
最初から家具家電がそろっていることから次から次へと住むお家を引っ越ししていくことも可能、というのがサブスク住宅の最大の利点なのではないかと思います。
賃貸やマイホームだと「失敗」することが許されず、また住み替えもかなり大変ですね。
ただ、サブスク住宅の場合は「住み替え自由」。ある意味で「失敗」なんてありません。
運営会社が管理している物件の中から気に入ったものを選ぶ、ただそれだけです。
失敗しても大丈夫。すぐに住み替えられます。
株式会社クロスハウス 東京や大阪などの大都市圏でサブスク住宅を展開。世界にも物件があります。
株式会社アドレス 北海道から沖縄まで幅広く展開。法人契約も可能で年齢制限もなし。
YUADOKARI株式会社 なんかちょっと変わってますが・・。これも立派なサブスク住宅。
サブスク住宅のサービス提供会社のリンクを貼っておきました。一度どんな会社が運営しているか見てみるとおもしろいかもしれません。
今までの賃貸住宅とは一番何が違うのか?というと、継続課金している間は自由に好きなところに住み替えられますよということではないかと思います。
世間一般的には「敷金」や「礼金」、または仲介手数料などの費用を事前に払うのが一般的、しかもお部屋選びに失敗したら安易にまた引っ越し、という選択もできません。お金がもったいないからですね。
ただ、このサブスク住宅の場合は「失敗」というのがなく、継続課金のサービスの範囲内、運営会社の管理物件の中からであればまた好きな物件を選んですぐに住み替えることができます。
結論。サブスク住宅は今後どうなる?ほんとに利用拡大するのか?
サブスク住宅の利用が拡大している年齢層ははっきりしています。20代〜30代の若年層です。
このサービス自体は目新しいものではなく、考え方としてはずいぶん前からありました。ただ、日本の文化としていつかは「マイホーム」というのが本当に根深くあります。しかも中古ではなくて新築が良い、と。
こういった考え方は今の若年層にもまだまだ残っていて、
中古よりも断然、新築に住みたい!リノベーション住宅って何だかお家の形が古く感じるもん!
という考え方も一部から聞こえてきそうですね。
もともと今までの賃貸や新築住宅の需要の流れでも、「マイホーム派ではなくて賃貸派」は一定数は存在します。
私個人の意見としては、この賃貸派の中の若年層に対して「サブスク住宅」は広がっていくのではないかと思います。
電気代やガス代がサブスク料金に含まれている、家具付きだし管理も楽ちん。メリットがたくさんあるのは分かるけど・・・。
自分のお家がほしい方にとってはやはりマイホームが理想という結論となる方も多数みえるかと。
どちらが正解ということではなく、「自分の生活スタイル、理想の暮らし方」がどんどん変化していく若年層に対して、サブスク住宅のサービスレベルがどこまでその需要を満たせるか?ではないでしょうか。
とはいえ、まだまだ始まったばかりのサブスク住宅です。乞うご期待ですね。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。