東京都心の高層マンションに住んでいる住人といえば、「お金持ち」や「洗練された社会人」といったイメージが一般的だと思います。
お金に余裕がある、いわゆる富裕層しか手に入れることができない「億ション」などと表現されてきたようなマンションに最近変化が起きているのをご存知でしょうか?
それだけではありません。マンションに限らず買い主がマイホームを購入する際に大事していることにも変化が起こっています。
コロナウイルス感染症によってマンションの選び方、購入の仕方が変わってきているんですね。
長らくステータスの象徴として君臨してきた高層マンションにも、部屋の広さを求める層が増加し、安全性や清潔性がより重視されるようになってきました。
今回は最近変化が大きい「マンション」のトレンドについてご説明しようと思います。
非接触型設備はもはや必需品?マンションが苦戦する最近のコロナ対策事情
高層マンションといえば、豪華なエントランスに広いエレベーターが複数機置かれているようなイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか。
マンションにとってはいわば「顔」となる共用スペースである豪華なエントランスやエレベーターは、コロナ禍にあってはリスクを増加させる存在となってしまっています。
一戸建てであればエントランスは家族だけが使用するプライベート空間ですが、マンションの場合は共用スペースとなって非常に気を遣う場面が多々発生するようです。
そこで最近のマンションの場合は下の画像のような巨大な宅配ボックスが備えられていることがスタンダードになっています。
非接触型の宅配ボックスはコロナ前までは一つのマンションのうち、数十戸分が用意されているだけでした。
しかし、今は違います。
宅配便の担当者の方とのやり取りでさえコロナ感染のリスクになることを考えるとできる限りの接触は避けたいのが心情です。現在では全戸分の宅配ボックスが備えられているマンションも珍しくありません。
また、密になりやすいエレベーターの利用を避けるためにあえて低層階を望まれるお客さまも多くなってきたと伺いました。
「高層階のマンションから綺麗な夜景を眺めるような生活」が望まれることが多かったのはコロナ前の話のようです。
現在では、感染リスクを下げるためにエレベーターを使用する頻度が少なくなるように底層階を選ぶことがスタンダード。
綺麗な夜景よりも「安全性」と「広さ」を重要視するご家庭が増えてきました。
コロナウイルス感染症によってマンション選びの趣向性が変化してきているのだと思います。
ホテル経営不振がマンションの価格下落につながる?物件価格が安くなる仕組み
2020年1月に始まったコロナウイルス感染症によって、海外からの旅行者によるホテル利用などのインバウンド需要がなくなりました。
さらに、日本国内在住者の県をまたいだ移動にも制限が加えられて、国内旅行もままならないのが実情です。
実際には、マンションや一戸建ての販売数にも大きな影響が出ていますが、直撃を受けているのがホテル業や観光業ではないでしょうか?
マンション購入に追い風となる要因として、コロナ禍前であればホテル業者が購入、落札していたような大きめの広い土地が、ホテル業者の撤退によってマンション業者へ流れています。
当然、競い合う相手が少ないため値段もお手頃価格になっているんですね。
この下落している土地を利用して、おそらく3年後程度を目安に居住用マンションが新築されます。
単一の物件価格としては十分お値打ち価格を打ち出せることが予想できますので、今後の新築マンションの動向はチェックしておきましょう。
特に都心部や地方都市の中心地ではこの現象が顕著に現れている地域もあります。
2年から3年先を目安に、ということであれば計画も立てやすいでしょうし、マンション購入を検討している方はぜひアンテナを高くして情報収集しておいて頂ければと思います。
民法が120年ぶりに大改正!法整備よって不動産購入の負担軽減が加速する
コロナ禍より以前から大雨による水害が目立ってきました。
不動産購入にともなって、こうした水害リスクを未然に防止するために制度上のサポートが入ったことはご存知でしょうか?
水害ハザードエリア内にある住宅については防災都市計画に基づいて安全な土地に移転する場合などは不動産取得税の特例措置が受けられます。
大事なことは被害を受ける前からしっかりと今の自宅の現状を把握しておくことです。
そして、事前に受けられる特例措置は受けておいて、賢く水害リスクが低い土地への移転も検討しておくことが大事ですね。
自分のマンション、または家が所在している土地が水害の危険があるかについては自分の地域のハザードマップを見ると分かります。
2020年8月からは宅地建物取引業者は契約の際にハザードマップを用いて取引物件の所在地における水害リスクを事前に説明することが義務付けられています。
洪水や降雨による増水、高潮の危険性などの説明は必ず受けているかと思いますが、改めて自分のお家付近はどのような水害リスクがある地域なのかを確認しておきましょう。
また、2020年4月に約120年ぶりに民法が大改正されました。
不動産関連に限らず、いろいろな分野の法律が横断的に改正されました。
身近な変更があった分野としては、従来の「瑕疵担保責任」に代わって新たに「契約不適合責任」が制定された点です。
瑕疵担保責任とは売主がお家を販売した後に判明した「隠れた瑕疵」についての対応方法について定めた法律ですが、名称が新たに「契約不適合責任」と変更になりました。
この制度変更によって売主は買い主に対してより詳細に説明責任を果たす義務が生じ、対象となる不動産に関して何らかの問題が発生した場合の売主の責任がより重いものになる形となります。
中古住宅購入時などの買い主側の負担軽減にもつながることから、今後の空き家対策や地方への移住に際してよりリスクを低く抑えながら買い主にかかるプレッシャーを低減することにつながってとても良い環境になりつつあると思います。
コロナ禍による市場縮小にテコ入れ!住宅購入支援策を上手に活用しよう
コロナウイルス感染症が拡大する前から、国による住宅購入支援策が推進されてきました。
代表的なのは「住宅ローン減税」や「ZEH補助制度」などですね。
しかし、コロナウイルス感染症がなかなか収まらないことを背景に、さらに活性化させるために制度が拡充されることが予想されます。
その前に簡単にふたつの制度を復習しておきましょう。
住宅ローン減税の拡充措置
住宅ローンを借り入れて住宅の新築や取得、または増改築などをした場合に年末のローン残高の1%を所得税などから契約時期と入居時期に応じて最大13年間控除する制度です。
コロナ禍より以前は令和2年12月31日までの入居が住宅ローン減税3年の拡充措置の対象でしたが、コロナの影響を受けて入居の遅れなどが発生していることを踏まえてもう1年延長されることが決定しました。
さらに入居時期についてはさらに1年延長する方向で議論が進められているとのことです。
令和3年9月末までの契約で減税の拡充措置を受けられる見通しになればとても助かりますね。
ZEH補助制度の拡充措置(ネットゼロ・エネルギー・ハウス)
ネットゼロエネルギーハウスとは?
マイホームのエネルギー効率を上げて太陽光発電などによるエネルギー収支がおおむね0となるお家のことで、これからの社会に求められてるマイホームの形の一つといえます。
求められている要件としては、
高断熱でエネルギーを極力必要としない、夏は涼しくて冬は暖かいなどの特性をもっている
暖房器具や冷房器具など高性能設備でエネルギーを上手に利用することができる
エネルギーを自ら創り出すことができる
上記のような物件には補助が受けられることになっています。
基本的には60万円。ZEHのタイプに応じてそれ以上の補助も受けることが可能です。
コロナ禍はいまだに収束する気配が見えません。
住宅市場が今後もさらに落ち込むような形になってくるようであれば、今後もさらに拡充措置が取られる可能性もあります。
それぞれ制度概要は国土交通省、または各都道府県が発表しているのをチェックするのも良いですし、身近に不動産屋さんがいるようでしたら気軽に質問してみましょう。
弊社でもいつでも質問、お問い合わせを受けて付けていますのでお気軽にご相談ください。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。