住宅用の個人向け火災保険料がまた値上げ?2022年に1割増加も。

個人向け住宅用の火災保険料が2022年に再・再値上げとなります。2018年からの3年間で3度目の値上げですね。

マイホームを購入した旦那さま、または「これから購入しますよ」という方にとっては火災保険料が値上げしたからといって火災保険に加入しない、という選択をするわけにはいかないですし、やっとの思いで購入したマイホームを失ったときのリスクを考えると火災保険に入らざるを得ない、というのが実情かと思います。

マイホームを現金一括で購入するような富裕層を除き、ほとんどの人が金融機関で住宅ローンを組んでいるはずです。

例外もありますが、原則的には火災保険に質権設定されるのが常識です。と、いうことは解約することは事実上不可能ですし、もはや値上げは受け入れざるを得ない痛い出費となってしまいます。

この記事では、今回の火災保険料の値上げの背景。加えて今後の見通しをご説明させて頂いた上で、「結局どうすれば良いのか?」までをまとめてみました。

ぜひ最後までお読み頂いて火災保険料の値上げ対応策の一つとしてお役立てください。

目次

自然災害の多発によって火災保険料はこれからどんどん上がる?

まずは値上げの背景からご説明します。

結論から言うと、これからも火災保険料は値上がりしていく可能性がとても高いです。

今回の「値上げ」というのは、損害保険各社でつくる損害保険料率算出機構が保険料の目安となる「参考純率」というものを1割上げる方針を確定させたことに起因します。

 参考 損害保険料率算出機構 火災保険参考純率

2021年の5月末までに、機構から金融庁にこの「値上げ」を届け出ることが濃厚とされていますが、この届出を受けて損害保険各社はそれぞれの経費などを含めて値上げ幅を決定しますので、実際の値上げは2022年になる見通しということになります。

この届出が機構から金融庁にされるということはつまり、「来年の保険料は1割程度の値上げになるだろう」ということがほぼ確定します。残念ではありますが、火災保険料はまた値上げすることになるでしょう。

ではなぜこの「火災保険参考純率」が毎年のように見直されて上がっていくのでしょうか?

実は理由は一つではないですが、もっとも大きな理由の一つが最近頻発している自然災害の影響が挙げられます。

参考 日本損害保険協会 自然災害による支払い額

年度別に見ると、ここ数十年の歴史的には保険金支払い総額が1兆円を超えたのは1991年のみ。

しかし、2011年から2019年までは毎年のように1兆円を超えています。

つまり、今の顧客から徴収している火災保険料では現行の火災保険制度を維持するのが単純に難しいということでしょう。

このペースで災害のたびに保険金を拠出していては保険会社の経営が傾きかねないですからね。

また、2008年のリーマンショック近辺から日本は現在のような低金利時代に突入しました。

保険会社はその潤沢な資産を国債や各種債券で運用するケースが大半です。

運用利回りが下降傾向にあることに加えて上記のような自然災害に見舞われては経営状態の悪化になりかねないず、「やむにやまれず保険料をあげざるを得ない」ということになってしまったわけですね。

長期の保証はリスクでしかない?契約期間も短縮されて5年が最長に

私が金融機関で勤務していたころは火災保険の加入プランに「長期プラン」がありました。

当時は資金計画の中に最初から火災保険の支払い代金として30万円から40万円を組み込み、住宅ローンを組んだ際の費用計算をしていたものです。

一括前払いで払うと火災保険とはいえ、結構な金額になりますからね。

しかしそれでも一括前払いの方が断然お得。3年や5年で火災保険に加入するよりははるかにコスパは高いです。

それが今ではプランとして選択できません。長期のプランは損保会社にとってはリスクを高める行為でしかないからですね。

保険会社としては自然災害などの発生状況や、その保険金の支払いの状況を考慮して「火災保険料」を調整していきたいので、10年や15年といった長期期間で保証を継続することはとても難しいのが実情です。

本体の火災保険も、附帯する地震保険も、来年からは最長で5年という可能性が濃厚になりました。

一番大事なことは火災保険の内容をしっかりと理解すること

おそらく、個人向けの住宅用火災保険は来年以降、最長で5年の契約期間でしか加入させてくれない可能性が高いです。

自然災害の発生や温暖化の影響を受けることは仕方のないこと。どうしようもないことに腹を立てるより、まずは自分でもできる範囲の選択には何があるのかを考えてみましょう。

火災保険の免責金額をよく考えて設定する

個人向け住宅用火災保険にはほぼ必ずといって良いほど免責金額を設定できる商品があります。

この場合の「免責」というのは、保険会社がお客さまに保険金を支払う責任を免れますよ、という意味の「免責」です。つまりその金額は加入者の自己負担になりますよ、ということ。

免責金額を0円に設定すると、保険会社からの保険金額は満額受け取ることができますが、免責金額が10万円の場合だと免責金額分が差し引かれた金額が支払われることになります。

この免責金額が不必要に高くなっている部分、低くなっている部分を自分でしっかりと把握しましょう。

保険の営業マン、または不動産屋さんから勧められるままに火災保険に加入するのではなく、しっかりと自分で必要な部分を判断して加入しましょう。

免責金額部分を増やせば保険料が安くなる、という仕組みを上手に使うことで少しですが火災保険料金を安くすることができます。

しかし、しっかりと補償内容との整合性を考えましょう。自分の家計が許容できないような過度な自己負担を増加させる選択は避けるべきですし、あくまでも保険料の支払いと受け取れる保険金とのバランスが大切です。しっかりと考えましょう。

補償内容が重複していないかよく確認する。

火災保険の見積書を頂いてみると、「家財保険」などの特約が付帯されているタイプがあります。

ご自身で必要だと考えればもちろんそういった特約を付けるべきなのですが、まれに重複して加入しているケースがみられます。

自分がどのような保険に入っていて、どういった場合に保険金が入ってくるのかもう一度確認しておきましょう。

重複していた場合は解約しておく、または火災保険に付帯させないことで保険料が割安になる場合もあります。

また、損害保険は大原則として、「実際の損害を補填する」ということを目的としています。

例を挙げると、医療保険などで1日入院5,000円などのプランに3社加入していた場合が考えられます。

条件が合致すれば合計で15,000円が受け取れることもあります。

損害保険の場合は「損害に対し、実損分を補填する」という大原則から、3社の損害保険に入っているからといって「たくさんの保険金がもらえる」ということではないのです。

このあたりのことをあまり理解されていないお客さまも多く、また、しっかりと説明しない保険営業マンの存在もあり、不要な特約に重複加入というケースも散見されます。

家財保険の場合、支払われる保険金額はあくまでも家具の価値と同等の金額までです。

可能な限り長期の契約プランを選択する

損害保険各社は今後、契約期間を最長10年から5年に短期化すること発表しています。

これは、保険料の見直しを素早く反映させるために長期の契約を避けたいことが狙いですが、われわれのような個人の加入者にはどうしようもないことですね。

ですが、1年や2年といった短期の契約を結ぶことを避ける努力はできます。

今までご説明してきた通り、損害保険各社はほぼ毎年のように火災保険料金を値上げしてきてるのが現状です。

今後の動向もおそらくこのトレンドが継続することが予想されることことから、家庭の資金的な問題も加味する必要がありますが、余力ある場合は最長の5年プランで加入しておくのが一番無難な選択になる可能性が高いでしょう。

割引制度をフル活用して保険料をお得に節約

新築住宅などの場合、中古住宅に比べて保険料を割安に提案している損害保険会社もあるようです。

損害保険会社のホームページでのweb割や証券ペーパーレス割などに始まり、楽天損保などの各ポイントを絡めた保険もラインナップされ、自分が想定していたよりもずっと安く加入することができた、といったケースもあるようです。

お家の仕様がオール電化、またはホームセキュリティなどの設備を備えている場合も割安な火災保険を準備している損保会社もあるようですね。

火災保険は、今まで馴染みがあった医療保険や生命保険と異なり、自分自身が住宅を購入するまではあまり身近に感じることがなかった保険だと思います。

しかし、住宅を購入してからはとても身近な保険になる上、生涯に渡って払っていく必要がある費用です。

ご家庭の状況や購入したお家のタイプに合わせて一番最適な火災保険にはどんなものがあるのか、自分から積極的に探そうとすることで割高な火災保険に加入するリスクを減らしていきましょう。

せっかくこの記事をここまで読んで頂いた方はぜひ、保険の営業マンの言われるがままに火災保険に加入した、ということはないように気をつけてください。

今後の火災保険料の値上げは避けられない。あなたはどうする?

ここまで、火災保険料金が2022年から1割程度値上がりすることについてまとめてきました。

火災保険料金が値上がりすることはわれわれ個人にはどうすることもできません。

温暖化や大気汚染、最近頻発している異常気象のことを考えてみても、これから保険料が下がっていくことは考えにくでしょう。

また、火災保険料が上がったからといって、火災保険に加入しないわけにもいきません。

金融機関で住宅ローンを組んでご自宅を購入された方は火災保険に質権が設定されていますのでほぼ加入することが必須です。

どんどん上がっていく火災保険料に文句を言っても始まりませんので、まずは自分のできる手段を少しづつ進めてみましょう。

先ほど紹介した免責金額の見直しや補償内容の重複防止、それぞれの損保会社の割引制度をうまく活用して少しでもお得に火災保険に加入できないか検討してみてください。

また、火災保険のことで何かご不明な点、分からないことがあればご相談やご質問も受け付けていますのでお気軽にお問い合わせください。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。

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この記事を書いた人

プロフィールをご覧いただきありがとうございます。宮北不動産の市橋といいます。
私たちが日々生活していく上で、不動産とのお付き合いは切ってもきれないものです。不動産に関することでお悩みのことがあれば、どのような内容でも構いません。お客さまから頂けるご相談に対して少しでもお力になれるように、誠心誠意ご対応させて頂きます。

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